■ 第18話 ■ 深海レストラン Deep Blue/永瀬みぎりさん
【2】
「女みたいに抱いてやれば、それで満足なのかよっ!?」
薄汚れたビルの壁に細いその体を封じ込めて、無造作にスカートをたくし上げる。
「ゾ…ロ?」
抵抗できないようにと頭上でいとも容易く封じ込めた腕の先から、数枚の札が落ちていく。
「俺のモンなんだろう? だったら、楽しませろよ。得意だろう?」
空いたもう一方の手で、乱暴にその中心をつかみ、扱きあげる。
「ゾロっ、どうして? やだよっ、こんな所でっ!!」
暴れてバタつく足の間に、自分の足をねじ入れて無理矢理足を開かせる。
下着の中に差し込んだ手が、まだ芯をもたないそれに触れる。
怯えて縮む手の中の生命。
それを力任せに握りつぶしてしまいたいのか──?
それとも───?
それでも、触れた小さな性器は少しずつ形を露にし震え出す。
「見ろよ、こんなにすぐに感じやがって。さっきあんなにしてやったのに、まだ足りねぇのかよっ!」
溢れ出した先走りを絡めながら、ことさら淫猥に追い立てる。
「…だ、って…、ゾロだか…らっ!」
目を伏せ、通りから顔を背けて流されまいと唇を噛み締めるその姿は、かえってゾロを煽り、ますますその内に渦巻く暗い炎を燃え上がらせていくだけだった。
追い上げられ翻弄されていく身体は、サンジの意志から切り離されゾロに操られその激流に飲み込まれながら次第に喘ぎへとかわっていく。
「い…や、も……ぅっ。」
堪えきれずにぽろりと落ちた涙は、わずかに残っていたゾロの理性を剥ぎ取り…。
その瞬間、きつく握りしめられたままサンジは、その手の中に薄い精を放っていた。
吐き出させた精に汚れた自分の掌を、ゾロは見つめていた。
そんなゾロの様子を、肩で荒い息をしながら、落ちる涙を拭いもせずサンジは見つめていた。
ゾロの頭の中で、ガンガンと警告が鳴り響く。
やめろ!
止めろ!!
でも、一体何を止めればいいのか…。
いや、遅い。
もう、止められない!
気がつくと自分のそれは膨れ上がり、ただ解放を求めてその存在を主張していた。
突き動かされるままに、乱れたスカートから覗く下着を引き摺り下ろし、指を這わせる。
今朝方まで蹂躙していたそこは、まだ熱を持ちキツく閉じられている。
苦痛に歪むサンジの顔に、にやりと笑みを返してやる。
「お願いだから…。ここじゃない所で……。」
弱々しく訴えるサンジの唇を噛み付くように塞ぎ、その間にシャツのボタンまではだけていく。
「ゾロっ!!」
自由になった両腕で力いっぱいつっぱねると、一歩ばかりゾロが退いた。
羞恥に肌を染め、涙を溜めたまま見開かれたサンジの瞳が、縋るようにゾロを見つめていた。
「今ここでやらせないなら、これで終わりだ!」
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