■ 第18話 ■ 深海レストラン Deep Blue/永瀬みぎりさん
【3】
無表情なままのその宣言に、サンジは力なく両腕を下ろした。
一方的なその宣言を受け入れたサンジに、一言の言葉もないままに再び指を這わし、開く意志の無いその場所に、昂ぶった自身を無理矢理にこじ入れる。
薄暗い路地の消えかけた街頭に、白い肌が浮かぶ。
自分の言いつけどおりに、通り過ぎる視線にその痴態を晒すサンジに感じる憤り。
やり場のない思いは、醜悪な欲望となってサンジを突き上げる。
悲鳴を上げているのは、その心なのか、身体なのか…。
止まることなく伝い落ちる涙が、ゾロのシャツをも濡らしていく。
「待ってたんだ…っ!」
いつしか、うわ言のように繰り返されるサンジの言葉は、荒い息の下でかき消され……。
「帰れよ…。」
呆然と座り込み動けないでいるサンジにぽつりと呟いて、ゾロはふらりと背を向け通りへと踏み出した。
「ゾロ…。」
呼び止める微かな声。
「また俺を捨てるの?」
2005.6.6
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