* Pure Blooded *
−11−
サンジの体を組み伏せて、白い足を大きく広げる。
吐精して濡れた性器に、ゾロはむしゃぶりついた。
「ひァッ…!!」
サンジが背をのけぞらせる。
「そ、んなとこ、舐めるな…っ…!」
泣きそうな声が訴える。
めちゃくちゃにしてやりたいほど可愛い、とゾロは獰猛な気分で思った。
「何言ってんだ。全部舐めるに決まってんだろうが。」
わざとサンジに見えるように、性器の周りに散った残滓を舌で舐め取った。
「お前の子種は全部俺のだって言ったろ…?」
べろりと舌を突き出して、舌の上に精液が乗っているのを見せ付けさえした。
かあっとサンジの顔が赤くなるのを見てゾロは悦に入り、再びサンジの股間に顔をうずめる。
わざと、ぴちゃぴちゃと音を立ててそこを舐めた。
「や、やあっ、ゾロッッ!!」
柔らかなしっぽが何度もゾロの顔を叩く。
昨日も、ゾロが尻をしつこく嗅いだら、サンジは恥ずかしいのか、しっぽでゾロの顔を叩いてきた。
もっともっと恥ずかしがらせてやる。
ゾロにも、他の、ましてやオスのそこを舐めるのなんて初めての経験だったが、ゾロは嬉々としてサンジの性器を舐め回した。
腕の中のサンジの体はどんどん熱くなる。
まるで生まれたての仔犬のようにふるふる震えている。
ゾロの脳裏に、まだ幼い頃のサンジの姿が蘇る。
おぼつかない足取りでよちよちとゾロに近づいてきた、赤ん坊のサンジが。
初めてゾロにいとおしいという感情を教えてくれた、あの小さな白い仔犬。
それが今、美しくなって手の中にある。
恐ろしいほどの欲望がゾロの中に膨れ上がってきて、ゾロは、濡れているサンジの鈴口に軽く歯を立てて強く吸いあげた。
「やああッ…! つ、よいっ…、ゾロ…っ!」
抗議めいた喘ぎがサンジの口から漏れる。
あやすように優しく先っぽをぺろぺろしてやると、喘ぎはすぐに甘ったるくなった。
「あ、…ぁん、ア…、は…、んァ…、」
吐精して萎えていたサンジの性器が、ゾロの口の中であっという間に力を取り戻す。
先走りとゾロの唾液が交じり合って、サンジの白い尻に伝っていく。
次第にサンジの体から力が抜けていくのが、サンジがこの行為を受け入れてくれている証のようで嬉しかった。
「く、ふぅ…ん…、んや…、ああ…ぅん…、」
喘ぐサンジの声は、子犬が甘えているような蕩けた響きを帯びている。
ゾロの顔を叩いていたサンジのしっぽは、いつしか力なく地面の上をぴくんぴくんとのたうっていた。
しっぽの動きに合わせて、ゾロの口の中のそれもぴくんぴくんと脈打つ。
それが可愛くて可愛くてならなくて、ゾロはこのままサンジの性器を食べてしまいたいような衝動に駆られて、根元から大きく吸い上げた。
「ッア、んんッッ!!」
サンジの体が大きくしなった。
次の瞬間、ぴゅくっぴゅくっと、ゾロの口の中に濃厚な蜜が流れ込んできた。
「…んあ、ふ…ぅッ…う…っ!」
しっぽの先まで細かく痙攣しながら、それは断続的にゾロの口の中に迸る。
ゾロはそれを夢中で飲んだ。
一滴たりとも零すつもりはなかった。
この体に自分の子種を全て注ぎ込むのだから、この体から出る子種は自分の腹の中に入れるのが当然だと思っていた。
飲み下しにくい蜜を、喉を鳴らして飲み干して、それでも足りずに、ゾロはサンジの鈴口に舌をねじ込んだ。
「ッひアアッッ!!」
強い刺激にサンジの体がのけぞる。
ゾロが、じゅっと音を立てて、サンジの尿道に僅かに残った蜜も、全て吸い上げる。
吐精したばかりで敏感になっている性器には衝撃に近いほどの刺激だったのだろう、サンジが「ひっ!」と引きつった悲鳴を上げた。
がくがくと全身が大きく何度も跳ねる。
両手がぶるぶると震えながら、ゾロの顔を突っぱねてきた。
「ゾ、ゾロ、死、死んじゃ、おれ、お…、死ぬ…、やめ…、強すぎ…っ……………」
ぐずぐずの涙声に、ゾロがはっと我に返る。
慌てて顔を上げると、サンジは盛大に泣きじゃくっていて、その綺麗なブルーアイから大粒の涙がとめどなく流れていた。
「悪ィ…。俺も理性飛んでた。」
サンジがこんなに泣きじゃくっていたのに、気付きもしないどころか、我を忘れて貪っていた事を自覚して、ゾロは自分に舌打ちした。
怯えさせるつもりはなかったのに。
「怖いか…? 俺のこと嫌いになったか…?」
サンジの頭を撫でながらそう聞くと、サンジがびっくりしたように目を見開いた。
その顔がすぐにチンピラが凄むような顔つきになる。
「怖いっつったら…、嫌いになったっつったら…、やめるつもりででもいんのかよ、クソ野郎!!」
いきなりキレたサンジに、ゾロは唖然とする。
「やめんなよっ…! 俺が怖がっても、やめんなっ…!」
必死の形相でサンジがゾロに取り縋る。
「俺と、つ、つがいに、なんだろうがッッ…!!」
まるで悲鳴のような声に、ゾロはサンジの想いの深さを知った。
求めているのは、自分だけじゃない。
たまらず、サンジの体をかき抱く。
「やめねぇよ…。お前が怖がっても…お前は俺のもんだ…。」
サンジの蒼い瞳を覗き込みながら言うと、サンジの顔が安心したように微笑んだ。
その顔に、ゾロはキスを落とす。
「やめなくていいんなら続きすんぞ。」
サンジを抱き締めながら、その耳に囁いた。
自分の声に潜む、どこか切羽詰まったような真剣な響きがおかしかった。
こんなにも、サンジが欲しい。
滑稽なほど。
サンジの尻を抱えて、白い肉を割り開いた。
現れた慎ましやかな蕾に、ゾロは躊躇うことなく吸いついた。
「…ッ…!」
びくっとサンジの体が硬くなる。
サンジの尻は一番サンジのにおいがする。
ふんわり甘ったるくて、どこか赤ん坊のにおいを残しているような。
吸い付いた尻が、ふるふるっと震える。
しっぽの先まで小刻みに震えている。
震えながら、何度もゾロの顔を叩こうとしながら、そうはせずに地面に垂れる。
やめるな、と言った手前、サンジは恥ずかしいのを必死で我慢しているのだろう。
けれどその恥じらいとは裏腹に、サンジの体はどんどん高まっていって、それにつれて尻からのにおいはどんどんいやらしくなる。
青く幼いにおいから、濃厚なエロいにおいへと変わっていく。
ゾロは、サンジの尻に齧りつきながら、ピンク色の小さな花のような後孔に舌を捩じ込んで、まるで屠るかのごとくに舐めた。
「あ、…ん、あ…、あ、あ、や…あ、あっ…!」
甘い声と共に、サンジの腰がくねる。
誘うように、後孔がひくひくと蠢く。
「も…、もぉ、いいっ、ゾロっ…!」
泣いているような潤んだ声で、サンジが言った。
「もぉ、い…から、早、くっ…! 早く、俺に、種…、ゾロの種…つけてッ…!!」
切羽詰った声でねだられて、ゾロももう我慢できなくなった。
サンジの体にのしかかり、足を抱え上げる。
サンジが、待ちきれない、という風にせわしなくゾロの体を引き寄せた。
メスでもないのに、サンジは、その身にゾロの子種を迎え入れたい、と訴えてくる。
こんなもゾロを請うてくれる。
気がおかしくなりそうなほど、愛しい、と思った。
「あ、あ、あ、あああっ、や、ああああッッッ!!」
狭い体をこじ開けて、かたくて熱い肉が侵入してくる。
その未知の感覚に、サンジはあまりにも無防備だった。
「ひい、あ、ひ…、ぞろ、ぞ、ろ、怖…、こわい、こわ…!」
自分の体に沈んでくる熱の衝撃に、サンジはただただ目の前の体にしがみついた。
「こわくない…大丈夫だ…。」
宥めるゾロの声も、掠れている。
「こわい、こわい、ゾロ、ゾロ…っ、こわれる、こわれちゃ…、あああ…!」
自分が何を口走っているのか、サンジはもうわからなかった。
痛いのかどうかもよくわからない。
ただひたすらに怖かった。
心細かった。
たすけて、と我知らずサンジが口走ると、いきなり体がぎゅうっと抱き竦められた。
「ヒッ!!」
熱が更に奥にもぐりこんできて、サンジは悲鳴を上げる。
なのにゾロはお構いなしにぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。
「……っ…」
唇はわななくばかりでもう声すら出てこなかった。
見開いたサンジの目から、ぼろぼろと涙が零れる。
「サンジ。」
耳元で囁かれてサンジの体がびくつく。
「…まだ怖いか…?」
落ち着かせるような優しい声で囁かれて、サンジはようやっと自分を取り戻した。
「あ……。」
ゾロに抱きしめられてる。
ゾロの熱いからだが、サンジを包み込んでぎゅうっと抱きしめている。
「ゾロ…。」
ほっとして、サンジは体の力を抜いた。
─────ゾロ…。
サンジが体の力を抜いた途端、ゾロも、はあっと大きく息をつくのが聞こえた。
発情期でもないのにメスでもないものに突っ込んでいるのだ、ゾロだってきつかったに違いない、とその時サンジは気がついた。
いっぱいいっぱいなのも、怖いのも、自分だけじゃない。
「ゾロ…っ…。」
感極まって、自分からゾロに抱きついた。
ゾロが息を呑むのが聞こえて、体の中のゾロが、質量を増す。
「好き…大好きだ…ゾロ…。」
ゾロの胸元に頭を擦り付けた。
「ああ…俺もだ。」
ゾロがゆっくりと腰を使い出した。
「ん、うァ…ッ…!」
サンジの体が無意識に逃げを打つ。
だがゾロはそれを抱き込んで押さえつけて、サンジの奥を探る。
「あああっ! あひぃっ!」
自分のものとは思えないほどのあられもない声が出た。
かたい、熱いものが、ずぶずぶと自分の体をこじ開け、暴いては、ずるりと引き抜かれ、また沈んでくる。
「ひぃっ! ひゃああっ…、ああっ…あーっ!!」
腰が持ち上げられ、もっと深くまで貫かれる。
ゾロが、入ってくる。
自分の奥まで。
辛いのかキモチイイのかわからない。
わからないが、やめてほしくない。
もっともっと欲しい。
ゾロが欲しい。
足がひっきりなしに痙攣しているのがわかる。
抽迭のたびにぞくぞくとした震えが腰から背中にかけて走る。
「ああっ…あああっ…ぞろ、ああんっ…、ひううッ!」
一突きごとに、ゾロはどんどん深く入ってくるような気がする。
どこまでゾロは入ってくるんだろう。
こんなに入ってきたら、ゾロが全部からだの中に入ってきちゃうんじゃないだろうか。
─────そ、したら…俺、が、ゾロ…産むの、かな…
俺がゾロのママになるのかな
混濁しつつある意識の中で、サンジはそんな事を思った。
─────産みたい…、ゾロ…、俺が…
思った瞬間、びゅくっとサンジの性器が遂情した。
「ん、く、……ぅッッッ!!」
サンジの体が快感にのけぞる。
ぎゅうっと体の中のゾロを締め付けてしまい、ゾロが、くっと喉を鳴らした。
「サンジ、出るっ……!」
苦しそうな小さな声がして、どくん、と体の奥でゾロが脈打ったのがわかった。
サンジが息を詰める。
体の中に、ゾロの子種が出てる。
ゾロの種が、植え付けられる。
「あっ…あ、あ…、」
体の奥にゾロの吐精を感じながら、サンジも自分の性器からとぷとぷと白濁を迸らせた。
ゾロの目がちらりとサンジの股間を見る。
「…お前もいっぱい出たな。」
腹の上に零れたサンジの子種を、ゾロの指が掬い上げて、…舐める。
かああっとサンジの体が熱くなる。
そんなもの舐めるな、とまた口走りそうになり、サンジは唇を慌てて噛んだ。
噛んだ唇を一生懸命緩めて、震える息を吐いてから、意を決して吸い込む。
「全部…舐めて…。ゾロ…。」
サンジがそう言うと、ゾロは、嬉しそうに破顔した。
二人は、繋がったまましばらく抱き合っていた。
その時だった。
サンジの耳がぴくっと動いた。
遠くで、自分の名を呼ぶナミさんの声が聞こえたような気がしたからだった。
サンジの異変に気づいて、ゾロが体を離そうと身を起こす。
「や、やだっっっ!!!」
慌ててサンジはゾロの体を抱き寄せた。
「抜いたらやだっっっ!!!」
─────抜いたら終わる
終わってしまう。
ゾロがびっくりしたような顔でサンジを見下ろしている。
サンジはがむしゃらにゾロの体を引っ張って、抱き寄せた。
後孔に刺さったままのゾロの性器も抜けないように、思い切り尻に力を入れた。
ぐうっとゾロが呻く。
だがゾロは痛いとも苦しいとも言わなかった。
吐精した後の性器を締め付けられたら、痛いどころではすまないだろうに。
サンジに抱き寄せられるまま体を寄せて、ずっとサンジの中にいる。
ナミさんの気配が徐々に近づいてくるのを感じながら、サンジは必死でゾロにしがみついていた。
だってナミさんが来たら、ゾロから離れなくちゃならない。
ゾロから離れてナミさんと帰らなくちゃいけない。
いやだ、とはっきりそう思った。
帰りたくない。傍にいたい。
このままずっと、ずっとゾロの傍にいたい。
でもサンジはナミさんの犬だ。
ナミさんを守るために生きている犬だ。
ナミさんと一緒に帰らなくちゃいけない。
でもゾロと離れたくない。
だってサンジはゾロとつがいになったのだ。
一生一緒に生きて行く約束をしたのだ。
でも、でもナミさんが…
だけどゾロと…
ナミさん…
ゾロ…
白い犬と黒い狼は、飼い主達が探しに来るまで、くちなしの植え込みの影でいつまでもいつまでも抱きあっていた。