act. 7

 

 

ゆっくりと、サンジ(攻)のペニスが、サンジ(受)の後孔に沈んでいく。

「「ううっ…気色悪ィ…。」」

サンジ達が同時に呻いた。

「なんでだよ。気持ちよくねぇか?」

ゾロが問うと、二人のサンジは揃って首を振った。

(受)「自分のちんこ挿れられてると思うと気色悪ィ。」

(攻)「自分のケツに挿れてると思うと気色悪ィ。」

ほぼ同時に言う。

それでもさすがに自分の体なので、どこがどう気持ちいいのかはわかっているのだろう、攻める方のサンジは強くピストンするのではなく、受けるサンジの腹側をえぐるように腰を回しはじめた。

「んひッ!」

とたんに、受けている方のサンジが白い背中を反り返らせた。

攻めているサンジが、ちっ、と舌打ちをする。

「………気色悪ィ声出してんじゃねェよ。」

不愉快そうに眉を潜める。

言われて、受けサンジが、ぎらりと殺気を放つ目で振り返った。

「だ…ったら、抜けばっ…いいだろうが…!」

まるで敵と対峙しているような火花が散る。

「おいおい、自分同士でケンカすんな。」

ゾロが慌てて仲裁に入る。

せっかく萌えな構図だったのに、険悪になられたのでは萌えも何もあったもんじゃない。

ゾロは、攻めている方のサンジの耳元に口を寄せて、

「自分の喘ぐ声は気色悪いか…? ん?」

と、ナミ辺りが聞いたら、ぞわわわわと全身に鳥肌を立てそうなほどの甘ったるい声で囁いた。

サンジにしか聞かせたことのない、とっておきのエロボイスだ。

ついでに、サンジの耳たぶを軽く噛んでやる。

「…ッ!」

それだけでサンジは、息を呑んでびくりと体を震わせた。

ダイレクトにペニスに質量が篭もったのだろう、受け入れているサンジが小さく呻いた。

なおもゾロは、サンジ(攻)の背筋に指を滑らせ、つうっとなぞり、さわさわと腰の辺りをくすぐるように撫でる。

「…あっ…!」

「てめぇも出たじゃねェか。声。」

ゾロはにんまりとエロ笑いを浮かべた。

「もっと出せよ。てめェの可愛い声が聞きてェ。」

かじかじとサンジの耳たぶを噛みながら言う。

「…あ、やめ…、や、…ッ!」

「俺が聞きてぇって言ってもまだ自分のヨがってる声は気色悪ィか?」

そのままその指を、攻めサンジの後孔に滑らせた。

きゅん、と反射的に後孔が締まる。

「ッゥんっ!」

声を上げたのは、下で組み敷かれている方のサンジだった。

攻めサンジの後孔を弄ったことで、恐らく挿入されているペニスが中で角度を変えたのだろう。

もしかしたら、サンジの前立腺にでもぶちあたったのかもしれない。

「う…!」

今度は攻めているサンジがびくりとする。

これにはゾロも覚えがある。

「締まったか? てめぇはいっつもイイトコロをこりこりしてやると、すぐこうやってきゅうきゅう締め付けてくんだぜ…?」

受け入れているほうのサンジは、もうだいぶいい感じになってきている。

恐らくもっと激しく動いて欲しいのだろう、高く掲げた腰が揺らめいて、いやらしく誘っている。

もっと、もっと、と、サンジがねだる時の腰つきだ。

てっきりゾロを煽るためにわざとやっているのかと思っていたが、自分相手でも同じ動きをしているところを見ると、どうやら無意識らしい。

無意識でこんなエロくケツを振るのだから、このコックはまったくもって本当にとんでもないエロコックだ。

こんな淫乱でいやらしい姿、絶対誰にも見せてやるものか。

見ていいのは俺だけだ。

攻めているサンジも、受けサンジのいやらしい腰つきに感化されたのか、ゆるゆると腰を送り込んでいる。

先ほどのように腰を回す動き。やはり強くピストンはしない。

その、どうにももどかしい動きに、ゾロは、はて?と首を傾げた。

そういえば、当たり前だが、ゾロは、サンジが誰かに突っ込んでいるのを見るのは初めてだ。

だが、こうして見ると、サンジの腰の動かし方は何だかやたらと拙い。

受ける方の、もうすっかり手馴れた、娼婦顔負けの腰つきに比べて、攻める方のそれは、稚拙というか、物慣れないというか、ぎこちないというか、ヘタとかいうレベルですらない。

受けるサンジをここまで淫らなものにしたのはゾロだ。だから、受けサンジの仕草が物慣れてて手馴れているのは別にいい。というより大歓迎だ。

だが攻める方のこのぎこちなさはなんだ…?

ゾロが初めてサンジを抱いた時、サンジは処女だった。だが、いくらなんでも、ラブコックを自称するくらいなのだから、女の方は食いまくってたんだろうと思って疑いもしなかったのだが。

この恐ろしくヘタクソな攻め方を見る限り、まさか…、こいつ、童貞、だった、のか?

 

ゾロの内心から、ふつふつと奇妙な歓喜が湧き上がってくる。

 

もしサンジが童貞だったとすれば。

この体は男も女も知らないまっさらな体だったという事になる。

正真正銘ゾロだけがサンジの初めての相手だという事になる。

この体はゾロ以外の誰にも触れられるのを許していないという事になる。

 

これが嬉しくなくて何だと言うのだろうか。

 

俺のもんだ。全部。

髪の毛の先から、足の爪の先まで。ケツの皺の一本一本まで。その精液の一滴に至るまで。

こいつの全ては、全部全部俺のもんだ。

突き上げてくる、獰猛な独占欲。

こいつは俺のもんだ。

いや、今は、「こいつら」か。

たとえサンジが10人になろうと、100人になろうと、それがサンジである限り、一人残らず、全員俺が囲ってやる。

他の人間には指一本触れさせねェ。

 

本気でそう思った。

 

ともあれ、この稚拙な腰の振り方では、受けサンジはイク事は出来まい。

何しろ、普段受け入れてるのは、魔獣の荒々しいSEXだ。

サンジが童貞だとすれば、ケツでイク事を覚えてしまっている攻めサンジも、挿入では射精できまい。

 

ゾロは、攻めサンジの後孔の入り口で、こちょこちょと遊ばせていた指を、ぐいっと中に押し込んだ。

「アァッ!」

「ふァッ!」

二人のサンジが体を慄かせるのを構わず、ゾロはサンジの中に指を捻じ込んでいく。

捻じ込むのにあわせて、サンジの尻を押すようにして、動かし方を教えてやる。

「んん…! んや、ア、あッ、や、あゥんッ、アアっ…!」

 

挿れてる奴の出す声じゃねェな、こりゃ。等とニヤつきながら、ゾロはもう片方の手を、受けサンジの股間に伸ばした。

中途半端に立ち上がりかけて、所在なげに揺れているペニスを握りこむ。

「んっ!」

くちゅくちゅと扱くと、それはあっという間にゾロの手の中で固くなる。

「あ、は…、あ、ああ…っ、んう…、ア、ア。」

「くぅんっ、んんッ、や、あ、はァ…。」

両側からゾロの耳にステレオで入ってくるサンジの喘ぎは、実に甘美なデュエットだ。

攻めサンジの後孔に挿れたゾロの指は、もう3本にまで増え、根元まで埋まっている。

ゾロはそれを手首を回すようにしてぐいぐいと更に奥へとわけ挿れ、出し入れする。

攻めサンジの腰は、ゾロの手に促されて、受けサンジを犯している。

まるで、攻めサンジと言うバイブレーターを使って、受けサンジを攻めている要領だ。

攻めサンジはもう、自分が受けているのか攻めているのかもよくわからない様子で、受けサンジの尻を両手で抱えて、、後背位で自らの性器を激しく出し入れしながら(させられながら)、ひんひんと喘いでいる。

受けているサンジは、もう腕で上半身を支えられず、顔を甲板に擦り付けるようにして、後孔だけを高く持ち上げるようにして自分を受け入れ、ペニスをゾロに嬲られて可愛らしい声で啼いている。

普段小生意気なくせに、こんな時のサンジは、もう凶悪に可愛い。

壮絶に可愛い。

激烈に可愛い。

可愛くて可愛くて脳が溶けそうだ。でれでれに。

本当の本当はサンジをどこかに閉じ込めてしまいたい。

腹巻きの中とかに。

誰にも見せず、誰にも触らせず、自分だけのものにしてしまいたい。

サンジが一口サイズなら、丸ごと口の中に入れて舐めまわしてしまいたいほどだ。

でも、今は10人もいるから、いくら一口サイズになったって、全員いっぺんに口の中に入れるのは大変そうだ。

腹巻に入れて上からちょこっと出して10人並べとくってのはどうかな。

きっと可愛い。すごく可愛い。

最初はぎゃあぎゃあ文句言うだろうが、コックはぬくめてやるとすぐ寝ちまうからな。

腹ン中に入れてりゃ、きっと全員即寝だ。

ああ、そしたら下からずり落ちちまわねえようにしないとな。

ウソップにでも、腹巻きン中に内ポケットつけてもらうか。

 

煮えた事を考えながらも、ゾロの手は、本能のまま動いて、サンジたちを容赦なく追い込んでいく。

 

不意に、はあ…、という熱い吐息が、目の前のサンジ達ではないところからゾロの耳に届いた。

 

そっと視線をやると、少し離れたところにいる他のサンジ達が、せつなそうな熱を含んだ瞳で、こちらを見ている。

もどかしそうにもじもじと膝をすり合わせるその性器は、すっかり勃ちあがっている。

そのうち、サンジの一人が、傍にいた別のサンジの股間に触れた。

ちゅく…という濡れた音が、小さく、だが、はっきりとゾロの耳に届く。

 

それを視界の隅に入れて、にやりとほくそ笑みながら、ゾロは、攻めサンジの前立腺を、揉むように強く押した。

同時に受けサンジの鈴口に親指の爪を立てる。

「ひうぅっ!」

「あああッ!!」

二人のサンジが、ほぼ同時に全身を震わせた。

攻めサンジの後孔に入れたゾロの指がきゅくうううっと締め付けられ、受けサンジのペニスを掴んでいた手は、溢れる白濁を受け止める。

どちらのサンジのイク姿も、比べようがないほどに可愛かった。

当然だ。どちらもサンジなのだから。

なんて贅沢なんだろう。

攻めていたサンジが、ぐったりと受けサンジに覆いかぶさる。

受け入れていたサンジが、緩慢な動作で上半身をひねって振り向く。

二人とも、快楽に蕩けた、焦点の定まらない瞳をしている。

ゾロの好きなサンジの表情の一つだ。

無防備で、幼くすら見えるのに、女など足元にも及ばないほどの淫らな妖艶さ。

魅入られてしまいそうになる。

いや、たぶんもう、手遅れだ。

魅入られてしまっている。

二人のサンジは、どちらもとろんとした目のまま、ゆっくりと唇を寄せる。

ちゅ、と音がして、二人のサンジは、舌先を絡めあうような甘いキスを交し合う。

サンジのいつものくせだ。

イッてしまった後、甘えるようにキスをねだる。

まだ荒い息を塞いでしまうような深いキスではなく、唇の先で何度も何度も啄ばむような、甘ったるい奴を。

このときのサンジがまた格別に可愛いのだ。

女相手のときは犯ったら犯りっぱなしで高いびきだったゾロが、サンジを抱くようになってからは、射精した後もいちゃいちゃと相手の体をいじくっているのは、そんな可愛いサンジをより堪能するためだ。

そうだ。変わったのはサンジだけじゃない。ゾロもだ。

事後にベタベタされるのを煩わしいと思っていた自分が、今じゃどうだ。

サンジに嫌がられるまでこの肌を弄るのをやめられない。

いや、いつだってサンジが嫌がったって、ゾロの気の済むまで弄り倒してる。

だけど今日は。

今日のサンジはきっとどれだけ弄繰り回しても嫌がらない。

だってコックさんは10人もいるから。

幸せだ。と思いながら、ゾロは、まだ熱烈なキスを交し合っているサンジ達から手を離して、ゆっくりと、見ていたサンジたちに振り向いた。

 

2005/11/11


ネコ同士がいちゃいちゃしてるのはレズ見てるみたいで可愛らしいなぁと。


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