【陸】

 

「いいかげん…、機嫌直せよ、ゾ〜ロ?」

サンジが苦笑して言う前でゾロは口をへの字に曲げていた。

「そうはいくか。」

心底困った、というように、サンジが優しくゾロの唇にキスをしてもまだ、ゾロの機嫌は直らなかった。

「あの場合は仕方ねェだろ?」

ん? とサンジが小首をかしげる。

 

サンジは、ゾロのベッドの上で、ゾロに組み敷かれていた。

 

別に逃れようと抵抗しているわけでもないのに、ゾロはサンジの両手首を捕まえて、ベッドに押し付けて、放さない。

サンジの服は、乱されて、白い肌が露になっている。

 

ベージュのスーツの下に着た褐色のシャツが、バラティエに行く前と違うものになっていることには、パウリーもフランキーも、本部の誰一人気づかなかった。

ゾロ以外には。

そうなることはわかっていたはずだったのに、いざ本当にそうなると、ゾロは度を失ってサンジに詰め寄った。

そうして、帰ってきて早々、パウリーのお小言も右から左に流して、慌しく、最上階の自室にサンジと共に戻り、そのシャツを剥ぎ取ったのだ。

そうして現れたサンジの肌を見て、ゾロは怒髪天を衝いたのだ。

サンジの白い肌には、乱暴に胸倉を掴まれたときについたのだろう、爪で引っかいたような痕が、赤くみみず腫れになっていた。

ちぎれるかと思うほど爪を立てられた乳首は、痛々しく鬱血して血が滲んでいる。

 

「クロコダイル……………ッ!!!」

 

歯軋りせんばかりに、ゾロは怒りの声を漏らした。

「くそ…あのワニ…! サンジにこんなことしやがって…。」

そうして、サンジの乳首を労わるように優しく舐める。

「ん…っ!」

途端にサンジの体がびくりと震える。

「痛ぇか…?」

「ん、ちっと…な。」

サンジがへらりと笑う。

「ワニの奴、ぶっ殺してやる…!」

口調は荒いのに、サンジの胸元のみみず腫れを舐めるゾロの動きは、慎重で優しい。

サンジよりもゾロの方がよほど、傷つけられたような顔をしている。

「ゾロ…。」

強く掴まれたままの手首を、離せよ、というように、サンジは軽く動かしてみる。

ゾロの手が緩んだ。

するりと戒められてた自分の手首を抜いて、サンジは、両腕でゾロの頭を抱え込む。

「クロコダイルは…、俺の事を“報告を受けていた”と言っていた。恐らく…、」

「俺の組織の中に…クロコダイルと通じてる奴がいるわけか…。」

サンジに抱きしめられたまま、ゾロが苦しげに言った。

「…間違いないと思う。」

「……みんな…親父のとこにいたときから傍にいた連中だってのに…、俺は…あいつらを疑わなけりゃならないのか……!」

「ゾロ。」

サンジが、ゾロの頭を抱きしめた腕に力を込める。

「俺が、全部する。ゾロ。」

子供が言い聞かせるように、ゆっくりと言う。

「てめぇの兵隊を疑うのも、裏切り者をあぶりだすのも、粛清するのも、全部俺がする。てめぇは何もしなくていい。だからもうそんな風に苦しむな。」

「そんなわけにいくか!」

突然ゾロががばっと顔を起こした。

「汚ェ事を全部お前にやらせて、俺だけのうのうとしてられるわけねぇだろうッ!? お前にこんな…こんなアホのふりさせてんのだって俺はっ…!」

「ゾロ。」

サンジの人差し指が、やんわりとゾロの唇に触れて、その言葉を封じる。

「“今度はお前の守り刀になる”と、そう言ったろう、俺は。その為なら、何だって、どんな真似だってする。」

柔らかな笑みを、サンジは口元に浮かべる。

このごろずっとその顔に浮かんでいた、知能を飛ばしたような笑みではなく、慈愛に満ちた、愛情にあふれた、笑み。

たまらなくなったように、ゾロはサンジの体を抱き寄せ、その唇に口づける。

「サンジ…! サンジ…っ…!」

母を求める幼な子のように必死でその名を呼びながら、ひたすらに唇を求める。

角度を変え、何度も何度も貪る。

「ん…、ゾロ…、」

答えるサンジの声が、次第に甘くなってくる。

口づけたまま、ゾロの手が慌しくサンジのズボンの前を寛げる。

「お前…、他はどこも触られてねェだろうな…!」

唸るように言ったゾロに、サンジはくすりと笑いながら、

「触られてねェよ。」

と答えた。

「シャンクスんとこの側近にもだな?」

「触られてねぇって…。つか、ベン・ベックマンが赤髪以外によそ見するわけねェだろうが。」

「わかるかよ、そんなもん。」

疑わしそうな声を出すゾロに、サンジがまた困ったように笑った。

「ゾォロ。」

その声に僅かに窘めるような響きが混ざっている。

「ベン・ベックマンみてぇな男は信じなくちゃだめだ、ゾロ。ああいう男は何があっても決して主を裏切ったりしない。自分を捨てても主に尽くす男だ。そのかわり主の為ならどんな事でも厭わない男だ。」

まじめな顔で諭すサンジを見て、ゾロがばつが悪そうに視線をそらす。

それを見て、サンジが口元を緩める。

「お前んとこのパウリーもだぜ? あんなふうに立場が上の人間に対して本気で叱ってくれる部下なんてのは、大切にしなくちゃいけねェんだ。」

「……だからやたらと懐いてたのかよ。」

ふてくされたように言うゾロに、

「………てめぇだって俺のチンポ舐めさせたろうが。」

サンジもアヒルのように唇を尖らせて応戦する。

「ありゃ、ご褒美だ。」

「あァ?」

「一週間の出向ご苦労様、って労ってやったんじゃねェか。」

「…男のチンポ舐めさすのがご褒美になるか…?」

呆れ果てたようにサンジは言ったが、ゾロは大真面目な顔を崩さない。

「俺はてめェなら全身舐めまわしてもまだ足りねェぜ?」

「……そりゃお前だけだ…。」

思わずサンジは笑い出した。

 

そしてその笑みを嫣然としたものに変える。

 

「んじゃ、お言葉どおり、舐めまわしてもらおうか…?」

蒼い瞳に淫らな光が宿るのを見て、ゾロもその口元に笑みを浮かべ、ゆっくりと唇を重ねていった。

 

 

 

 

 

全身舐めまわしてもまだ足りない、と言った言葉どおり、ゾロはサンジの全身に愛撫を施した。

ただでさえ敏感な体は、執拗で濃厚な愛撫に、何度も弾けた。

 

「ん…、…っふ…、ゾ、ロ…っ…!」

「あんあん喘いでるお前もいいが、そうやって吐息交じりの声もエロいな。」

「あほ…。ぁ、んっ…!」

 

今日はこの部屋には、ゾロとサンジの他には誰もいない。

だから人に聞かせるための殊更な嬌声は上げなくていい。

もっともあの喘ぎとて、演技で出しているわけではないのだけれど。

 

「あぅ…ん…。」

 

ゾロに触れられるだけで、全身が甘く蕩けてしまいそうだ。

そうやって体中をとろとろにさせられた後、ゾロはその逞しく大きな砲身を、ゆっくりとサンジの中に沈めてくる。

 

「う……あ…ッ…!」

 

骨盤すら広げられてるのではないかと思えるほど、硬く熱い肉がサンジの内蔵を貫く。

体の中に、愛する人を迎え入れるというのは、なんて圧倒的な感覚なのだろう。

自分の中に、この世で一番愛しい命が、入ってくる。

たまらない幸福感と、ほんの少しの恐怖。

 

「ゾロ…………!」

 

ゾロの砲身はとんでもなく大きくて、胃を押し上げるほどサンジの中に潜ってくる。

体の奥までゾロを受け入れるのは、まだ辛い。怖くもある。

けれどそれをはるかに凌駕するほどの充足感があって、いつもサンジは、大きく足を広げて、ゾロを受け入れてしまう。

まるで本当にSEX狂いの淫乱にでもなったように。

「あ、あ…、気持ちイイ…っ…。」

思わず口をついて出た。

サンジの中に深く身を沈めて、ゾロはその体を抱きこむ。

「ずいぶん…慣れたよな…。」

どこかほっとしたような響きがあった。

 

初めて体を繋げたとき、サンジはその後孔に誰も受け入れたことはなかった。

硬く狭いサンジの処女孔に、太く大きすぎるゾロの男根。

挿入に至るまでに、何時間も何時間もかかった。

最初の頃はサンジがあげていたのは喘ぎでなく悲鳴だった。

二人がまるで新婚初夜のように悪戦苦闘している間、部下達はうまいこと、男色にのめりこむボスと淫乱のオカマと、思い込んでくれた。

だからそのまま、それを利用することにしよう、と先に言ったのは、サンジの方だ。

サンジのプライドの高さと、強さを知っていたゾロは、頑強に反対したが、サンジは折れなかった。

それから二人は、部下達の思い込みを本当にするべく…、というのも半分は口実で実際はただ二人でいたいためだったけれど、毎日毎日抱き合った。

 

まだ、二週間ほどしかたっていない。

 

けれどサンジの体は、すっかりゾロになじんできていた。

サンジが後ろにゾロを受け入れて、苦痛ではなく快感を得ていると知ったときのゾロは、目も当てられないほど手放しで喜んだ。

サンジがいとおしくていとおしくてならなくて、演技など忘れて、本心から一日中サンジにべったりしていた。

 

「サンジ。」

ゾロがその耳に、優しく囁く。

「な、に…?」

サンジが上気した瞳で答える。

その瞳の蒼が、この世のどんな宝石よりも美しいと思う。

「俺の守り刀になる事がお前の矜持なのはわかっている。だが…それでお前が命を落とす事は許さない。絶対に死ぬな。」

真剣な眼差しでゾロがそう言うと、快感で潤んでいたサンジの瞳に、ふ…っと正気が戻った。

その目がふわりと笑う。

「ああ…約束する。」

そして、繋がったままの身を起こして、目の前の逞しい体に触れた。

厚い胸板には、大きく斜めに袈裟懸けの傷が走っている。

もう、10年以上前の傷だ。

 

10年以上たってもこんなにも生々しく痕を残す、傷。

 

 

「決してお前から離れない。この傷に誓って」

 

 

そう言ってサンジは、その傷に触れるだけのキスをした。

 

2006/03/26

 


[*]BACKTo be continued...


 

フカヒロ: 待たしただけのことはあったな、玉、御苦労じゃった。
玉撫子: えー、がんばりました。
きぬこ: エロいねエロいねいいよいいよ!
フカヒロ: でもな、
フカヒロ: ここで終わりかよっっっ!!
玉撫子: わああああ
きぬこ: 大丈夫だフカさん。
きぬこ: たまはやってくれる女だよ。
フカヒロ: そうだね。信じてるよ、玉を。
玉撫子: えええええ
きぬこ: 信じてるからねあたしたち、玉。
玉撫子: えええええええええええ
きぬこ: 目、キラキラ
きぬこ: ほんとは、目、ギラギラ
玉撫子: いや、だって・・・・ほら・・・・・
フカヒロ: うん。胸の前で手を組んで。
玉撫子: えええええ
フカヒロ: つぶらな四つの瞳が玉を信じて見つめている。
きぬこ: なんなら赤髪とベンの番外編でもいい。
玉撫子: えええええええ
きぬこ: 右が奥二重で左が二重の私の目を見て!(キラキラ
玉撫子: ベンシャンにみえる?あれ
きぬこ: みえる
フカヒロ: 見える見える。>ベンシャン
玉撫子: よかった。見えるんならいいや
きぬこ: 手首折れてても運転するベックマン。
玉撫子: するんです
きぬこ: ふてくされるシャンクス。
玉撫子: ふてくされるんです
きぬこ: もうイきそうだよ、あたしゃ。
フカヒロ: 本気でシャンが大切なのよ。まさに守護するもの
きぬこ: サンジはゾロを守るのに必死だけど
きぬこ: ベンは当然の事としてシャンクスを守る。
きぬこ: それぞれ、イイ!
フカヒロ: あーそうね、まだ若いよね。>サンジ
フカヒロ: ゾロもまだ必死な感じがして、かわいい。
フカヒロ: 白痴を装ってるサンジが、正体をチラ見せするところがたまらんっっ!
きぬこ: 最初の頃、必死に挿入しようとがんばる二人がたばりばぜん。
玉撫子: 初めて副シャン書いたので満足です。思い残すことはありません。
きぬこ: 残せよ、おい。
玉撫子: がんばりましたっ
きぬこ: もっとがんばれっ!
フカヒロ: もっともっとがんばれっっ


[0]戻る



 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル