○ 幸せ剣豪 ○
【6】
サンジは夢中になってゾロの体を愛撫していた。
なんかゾロが可愛くてたまらなかった。
いつしかゾロからの抵抗もやんでいる。
もちろんイカせちゃって突っ込む気満々だった。
「サ、ンジ…、腕、痛ェ…ッ…。」
不意に、弱々しい声がして、サンジは顔をあげた。
「なんか、腕、感覚ねぇ…。」
ゾロの顔は苦痛に歪んでいる。
腕? と思ってサンジは、ハッと気がついた。
後ろ手に縛られた腕は、もう長い事、ゾロ自身の体の下敷きになっている。
感覚がない、と言われて、サンジは慌てた。
「…ちょっと待て、今外す。」
大切な剣士の腕だ。
なんかあったら大変だ。
ゾロの体を起こし、腕を拘束したネクタイを解いてやる。
「痛かったか…? ごめんな…?」
顔を覗き込むと、ゾロが甘えるように顔をすり寄せてくる。
ああ俺の魔獣はなんて可愛いんだ、と思いながら、サンジは、ゾロにキスをした。
ゾロがそのまま体を預けてきても、サンジはまだ、可愛いなあと思っていた。
それが、体を預けるというより、なんかちょっと重くなってきたな、なんかのしかかられてるな、なんか押し倒されたな、と、気がついた時には、サンジは、すっかりさっきと体勢が入れ替えられていた。
つまり、サンジが下で、ゾロが上に。
あれあれ? と思ってる間に、うちゅっとキスされた。
うっかりサンジがそのキスにとろけてる間に、ゾロは、自分を拘束していたネクタイで、手早くサンジの右手首と右足首をひとまとめに縛りあげる。
「ゾ…?」
サンジが状況を把握できないうちに、ゾロは、サンジの左手首と左足首も、自分のバンダナで縛る。
ころんと転がされて、サンジは、あれ? と思った。
右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれ縛られているから、自分の体を固定しようとして、床に両手をつこうとすると、自然とお股がぱっかんと開く。
え、この格好ってむちゃくちゃエロくない?
今までバリバリ攻め気分だったのに、あっという間に受け仕様にされて、サンジは呆然と可愛いはずの魔獣ちゃんを見上げた。
「愛のレクチャーご苦労さん。」
そこにはすっかり復活した全開魔獣モードのゾロが、目を爛々と光らせながら牙をむいて、にやりと笑っていた。
2005/02/19