Ж 逢う魔が時 Ж

 

【 1 】

 

もう日もすっかり落ちようという夕刻。

 

なるほど、逢う魔が時とはよくいったもんだ…とロロノア・ゾロは内心密かにため息をついていた。

よりによってこんなところでこいつに会うとは・・・・

今日寄港したのは小さな島だった。

酒場もホテルも、数が限られていた。

だからこんな風に、偶然ばったりクルーに出くわしてしまっても、おかしな事は何らない。

 

出くわしちまったのがよりによって金髪のコックだとしても、

それがよりにもよって連れ込み宿の前だったとしても、

………お互いに、明らかにソレ目的とわかる連れがいたとしても。

 

ゾロとサンジは、たぶん、共に同じような顔をしていただろう。

呆然としたような顔をして、出会い頭に立ち尽くしたまま、まじまじと見詰め合っている。

いや、お互いを、ではなく、その隣にいる、お互いの相手を。

それが赤の他人に対してどれだけ無遠慮な視線かなど、思うことも忘れて。

そして同時に思う。

 

─────こいつ、なんでこんなの相手にしてるんだ…?

 

連れ込み宿の前で、ゾロもサンジも、それぞれの連れとべったりと密着しながら、今まさに宿に入ろうというところだ。

どこからどう見ても言い訳のしようなどない、見たまんまの状況。

それは別にいい。

お互いやりたい盛りの男だ。体力も無駄に余ってる。決まった相手もいるわけでもなし、たまに寄った町で一夜の相手を求めるなど、よくあることだ。

 

だが。

 

ゾロはゾロで、「ラブコックのくせに、何でこんなのが相手なんだ?」と思っている。

サンジはサンジで、「クソ剣豪は、こういう女が好みだったのかよ。おいおい。」と思っている。

 

それほどに、相手の連れに、違和感を感じていた。

 

その時、ゾロの連れが不自然に震えだした。

呼応するように、サンジの連れがぎくりとこれまた不自然に強張る。

「あんた、何でこんなとこにいるのよおおおおおおッ!!!」

すっとんきょうな声が、静かな通りに響き渡る。

ゾロの連れが、サンジの連れの前に、仁王立ちに立ち塞がる。

「い、いや、それは、その・・・」

「浮気っ!?浮気なのねっ?」

ゾロの連れが、サンジの連れに詰め寄る。

「何よこの男っ!」

びしいっとサンジが指差される。

サンジはびびってニ、三歩後ずさりした。

「お、お前こそ、なんだ、その男は!」

サンジの連れが、ゾロを指差した。

そのまま二人でぎゃあぎゃあと痴話げんかを始める。

どうやらゾロとサンジの連れ同士も知り合いだったらしい。本当に狭い島だ。

まだ呆然としたまま、突如目の前で繰り広げられる痴話げんかを見つめていたサンジだったが、不意に、騒ぎを聞きつけてあちこちから人が出てくる気配を感じてハッとした。

大きな騒ぎになるのはまずい。

このまま痴話げんかに巻き込まれるのも嫌だ。

咄嗟に、同じように呆然と痴話げんかを眺めているゾロの襟首を掴むと、宿の中に逃げ込んだ。

 

とにかく部屋をとり、中から外の通りをこわごわ覗き込む。

表の二人はまだぎゃあぎゃあとケンカをしていたが、やがて、諌める人がいたのか、我に返ったのか、表は元のとおり静まり返った。

 

「やれやれ。えらい目にあった。」

ほっとしながら、苦笑いするサンジ。

振り向くと、ゾロがベッドに腰掛けて、冷蔵庫から勝手に酒をだし、飲んでいた。

「あっ!てめェ、何勝手に酒出して飲んでんだよ。俺にも寄越せ!」

ゾロが持っていた酒を引っ手繰り、かぱかぱと呷る。

「いやあ〜しかし。」

ゾロに酒を返しながら、サンジが言った。

その顔には、いつもの人を小馬鹿にした笑みが浮かんでいる。

「てめェがああいう趣味とは知らなかったぜ。」

どおりでナミさんの幸せパンチにも興味がなかったはずだよなー、と、にやにや笑う。

「またえらく豊満なレディがお好みで。」

サンジの言葉に、ゾロはあからさまにバツが悪そうな、心底嫌そうな顔をする。

 

ゾロの腕にうっとりとぶら下がっていたのは、お世辞にも美人とは言いがたい感じの、でっぷりと太った中年の女だった。

 

ゾロほどの容姿ともなれば、酒場で飲んでいさえすれば、もっと若くて美しい女が、向こうの方から近づいてくるはずだし、娼館の女だってあそこまでひどいのはそういない。

という事は、ゾロはわざわざ好んで、ああいうタイプの女性を選んだという事だ。

人の好みをとやかく言いはしないが、それにしても意外だ。

「女、っつうか、牛に近いんじゃねぇのか。あれ。」

もう言いたい放題のサンジに、ゾロの眉間に寄ったしわが深くなる。

「……別にああいうのが好みだったわけじゃない。」

言いたくもない、という感じでゾロが吐き捨てたので、サンジは、お?と首をかしげた。

だが、サンジが言葉を継ぐ前に、ゾロが顔をあげた。

「てめェこそあの男はなんだ。ラブコックがいつ宗旨替えした。」

 

一方のサンジの相手はというと、なんと、男、だった。

 

やはり中年くらいの男が、サンジの腰を撫で回さんばかりに抱いていた。

しかしサンジは、ゾロの問いを軽く笑い飛ばす。

「別に宗旨替えしたつもりはねぇ。俺ァ元々あーゆー趣味だ。」

悪びれもせずあっさり言ってのけたサンジに、ゾロは目を丸くする。

「…は。ナミにメロってたのは、男好きのカムフラージュか?」

「あに言ってんだ、てめェ。」

誰が男好きだよ、気色悪い。と、サンジはそれでも笑みを崩さない。

 

「レディはこの世の至宝だぜ? 守って、慈しんで、讃えて、心から愛する存在だ。
俺にはレディを、一夜の慰みだなんて汚すような真似は絶対にできねぇ。
だから性欲処理は男と!!!!
男ならどんな薄汚ェマネしようが、どんだけ欲望の捌け口にしようが、構わねぇからな。」

 

両手を腰に、天井を見上げて高らかに宣言するサンジは、実に堂々として、爽やかで、清々しい。

─────が。

 

「果てしなきバカだな。てめェ。」

 

ゾロが、あんぐりと口を開けたまま言った。

バカだバカだと常日頃思っちゃいたが、こんなにバカだと哀れを通り越して感心すらしてしまう。

「あんだと!くらァ!!」

サンジが目を剥いて怒鳴る。

「てめェはなんだよ!デブ専!」

「デブ専じゃねぇ!!」

「デブ専じゃなかったら、なんであんな年増の牝牛わざわざ選んでんだよ!」

「っ…それは…っ!!」

「それは?なんだよ。」

言いかけて、ゾロは押し黙った。

ぱくぱくと口を開いたり閉じたりしている。

「なんだよ。言ってみろよ。」

サンジが促すと、ゾロは、挙動不審に視線をあちこちに彷徨わせたあと、大きく息を吸い、けれど、聞き取れるかとれないかというほどの小さな小さな声で、

「……………でかいから、だ……………」

と、呟いた。

「あ?何?」

当然サンジは聞き返す。

すると、ゾロは、やけくそになったように、

「だから!俺のはでかすぎるから、そこらへんの女じゃ入らねェんだよ!!」

と、怒鳴った。

呆気に取られるサンジ。

「デカイ…って、チンポコがか。」

思わず聞き返したりなぞしてしまう。

「ああ。」

ゾロが憮然として頷く。

「何だそりゃ。自慢か?」

「女とやれねぇってのが自慢になるかよ。俺がどんだけ大変だと思ってんだ、てめェ。」

ため息をつくゾロの様子は、サンジにはやはり自慢にしか聞こえないが、本人は至ってまじめらしい。

サンジの促すのにつられて、ゾロはポツリポツリと自分の愚息について語りだした。

 

でかいほどいいと思ってる男って多いけど、でかいからいいってもんでもないのよ。と、ゾロは、ゾロの巨根を目にするなり、怖気づいた娼婦に言われた事がある。

ゾロにとってそれは、わりと聞き慣れた言葉だった。

「お金は返す。私には無理。」と何度言われただろう。

「商売道具を壊す気かい!」と何度娼館に断られただろう。

でかい人ってでかいのに頼ってるから大雑把なSEXになるのよね、と言われてから、ゾロは前戯にやたらと時間をかけるようになった。

そうしたら今度は、親父くさいねちっこいSEXするのね、と言われた。

でかいし、ねちっこいし、さいてーい。と言われた。

そうまでしても、挿入まで至らない事が多い。

ようやく挿入ができても、動かそうとした瞬間に女が痛がりだして中断した事もある。

事の後、女の股から出血してさんざん泣き喚かれた事もある。

無事に挿入できたとしても、力任せに抽迭すれば、女は壊れる。

口でしてもらおうと思っても、でかすぎて女の口に治まらない。

若い女ではとてもゾロの相手は出来ない。

処女なんてもってのほかなので、ゾロは処女と寝たことは一度もない。

そこそこ歳のいった、子供の2〜3人も産んで程よく骨盤のゆるんだ、SEX好きでやりまくってる女でなければ、ゾロのイチモツを受け入れる事は出来ないのだ。

肉体の豊満な女なら、ある程度ゾロが欲望に任せても、あまり壊れない。

自然と、ゾロの選択の幅は狭められる。

 

「はァ〜〜〜っ。」

サンジが感心したような声をだした。

「なるほどね。だから年増の牝牛なんか引っ掛けてやがったのか。」

「そういうことだ。」

苦々しい顔でゾロが言う。

 

好みで言うなら俺は引き締まった女の方が好みだ。乳もあんまでかくなくてスレンダーな女。と、ゾロがぼそぼそと言うので、サンジはすっかり心からゾロに同情してしまった。

 

馬並チンポコのせいで、牝牛しか相手に出来ないゾロ!

なんてかわいそうなんだろう。

牝牛の、マンコだか肉の間だかわかんねぇところに自慢の巨根突っ込みながら、ゾロはスレンダー美女を必死で頭に思い浮かべてるのだ。

なんて不憫なんだろう!

 

SEXの最中にレディに断られるって!

娼館出入り禁止になるって!

 

────それっていったい、どんなチンポコなんだ…?

 

サンジの視線が、自然とゾロの足の間を凝視する。

 

「そんなに、でかい、のか?」

 

ごくりと、サンジの喉が鳴った。

 

「あ?」

ゾロが顔を上げるのよりも早く、サンジがゾロの体をそのままベッドに押し倒した。

「何しやがる!」

「そこまで言われりゃあ、どんだけのシロモノか拝みたくなるじゃねぇか。」

「お、おい…!よせ…!」

抵抗しようとしたゾロは、ズボンの上から股間をやんわりと掴まれ、ぐっと詰まった。

いかな剣豪といえども、そこは鍛えようのない急所である。

抵抗がやんだのを見計らって、サンジが、ゾロのズボンに手をかけた。

手早くズボンの前を外していく。

それが実に鮮やかで手馴れていて、サンジがどれだけ男との行為に慣れているかを不意に連想させた。

それがなんだか、ゾロを落ち着かない気分にさせる。

 

「そんなにでかくもねぇぞ?」

ゾロの陰茎を引きずり出して、サンジが小首をかしげた。

だらん、と萎えたそれは、サンジの息子と、そう大差はない。

「膨張率」と、ゾロが幾分投げやりに言った。

なんかもう、どうにでもなれ、という気分だった。

あーあー、なるほど、と、サンジはすぐに頷く。

「勃つと凄いんです、って事か。」

言うなり、ぱっくりとそれを咥え込んだ。

「うわっっ!!!てめェッッッッ!!!????」

まさか咥えられると思っていなかったゾロは、さすがに動揺した。

「よせッッッ!やめろッッッ!!! 離せぇぇぇ!!!!」

「あんがお。」

「咥えたまま喋るなあッッッ!!!」

サンジは涼しい顔をしたまま、ゾロのペニスを舐めている。

「…くっ……!」

 

それでなくても溜まっていたのだ。

牝牛でもいいからヤろうと思ってホテルに連れ込むところだったのだ。

おまけにサンジの舌技は実に巧みだった。

快感なんてもんじゃなかった。

さすがに同じ男。ツボは心得てる。

ゾロのペニスは、ゾロの心をあっさり裏切って、あっという間に勃ちあがった。

若いって素晴らしい。

 

「も、やめろ…っ!」

男に勃たせられたというのは、結構な屈辱だった。

しかも相手は、常日頃ケンカばかりしているクソコックだ。

ゾロは、こっち方面の精神修行を怠っていたことを、心底呪った。

だが、一方のサンジは、といえば、びきびきに勃ち上がったゾロのペニスの巨大さに、完全に心を奪われていた。

「すげ、でけ…」

なるほど、これは凶悪だ、と、一人ごちる。

「てめェ、こりゃもう、凶器だろう。こんなもん、よくレディに突っ込もうなんて考えたなあ」

「……だから、つっこめなくて牝牛相手にしてただろうがよ。」

もうゾロも、すっかり自分が寝ようとしていた女を牝牛呼ばわりしている。

二人して失礼甚だしいことこのうえない。

 

「なあ、ゾロ…。」

サンジが、どこかうっとりとした目をゾロに向けた。

「俺、これ、挿れてもいい?」

 

「何言ってんだ、てめェはあぁぁぁぁ!!!???」

「うるせーよ、てめェ、さっきから。」

淡々と話すサンジに比べて、ゾロはみっともないほどに動揺している。

なかなか普段は見られない現象だ。

なにしろ、今のこの状況は、ゾロの今までの人生のどんな試練もどんな鍛錬もまるで役に立たない。

 

だって男にチンコ舐められて勃っちゃっている。

あげく、挿れてもいいか?などと聞かれている。

挿れるってどこに、ってそりゃケツの孔しかないだろう。

俺が???クソコックのケツの孔に???

 

もう突っ込みどころは満載だ。

突っ込むところはサンジのケツだ。

 

てめェ、男相手の時は受け身だったのか、とか、

何でてめェのケツに挿れなきゃなんないんだ、とか

いや、そもそも女のマンコに入らなかったモノが、ケツに入るわきゃないだろう、とか、

いや、男のケツならもしかして入るのか? とか、

俺はホモじゃねぇ!とか、

クソコック相手に勃つか!勃ってっけど。とか、

もうゾロの頭の中は大パニックである。

 

動揺しまくるゾロをよそに、サンジは、いとおしそうにゾロの勃起を舌の先でペロペロ舐めたりしている。

 

舐めるなあああああああああああ!!!!!

 

「お、お、お前、…もしかしてと思うが、う、受身、なのか?」

とりあえず疑問の一つを聞いてみる。

「当たり前だろーが。なんで野郎の小汚ェケツに、俺のジェントルちんこ挿れなきゃなんねェんだよ。」

野郎の小汚ぇちんぽこ、ケツに挿れんのはいいのか、と思ったが、もうゾロは動揺しまくっていてそれどころではない。

「俺はホモじゃねぇっ…!」

「んあ?俺もホモじゃねぇよ?」

「野郎のチンポコ、ケツに咥え込んでる時点でホモじゃねぇか!!!」

「んじゃ、てめェは、男にしゃぶられて勃ててんだからホモじゃねぇか。」

「てめェ相手に勃つか!!!」

「……どう見ても勃ってっけど?」

 

口でサンジに叶うわけがない。

フェラも含めて。

 

それでもあわあわおたおたしているゾロを見て、サンジが苦笑しながら体を起こした。

「別にてめェのケツに突っ込まれるわけじゃねぇんだ。覚悟決めろよ。」

「決められるかあああああ!!!!」

 

やばいやばいやばいやばい。

そう思うのに、体が動かない。

ほんとにやばいと思うのなら、コックを蹴り飛ばして部屋を出て行けばいいのだ。

別にゾロは拘束されているわけでも、脅迫されているわけでもない。

ズボンを脱がされてるわけですらない。

ただ、ちんこを咥えられているだけだ。

その「だけ」が、されど、でもあるのだが。

 

サンジの白い長い指が、勃ちきったゾロのペニスに絡まり、ゆるゆると扱いている。

そのたびに痺れるような快感がゾロの背を走る。

 

「なァ、ゾロ…。このまんまじゃてめェもつらいだろう?」

 

サンジが、ゾロの耳元に唇を寄せた。

「イキてぇだろう…?」

ぞくり、とゾロの全身が総毛だった。

 

思わず、唾を飲み込む。

飲み込んで、釣り込まれるわけにはいかない、と慌てて首を振る。

 

「ゾロ、俺を見ろよ。」

しゅるり、とサンジが、首からネクタイを抜いた。

ぷちん、ぷちん、とシャツのボタンを2つ3つ外し、しなを作る。

「スレンダー美人。金髪碧眼のおまけつき。」

「て、めぇはっ男だろうが…!」

「でもてめェ、あの牝牛に突っ込むつもりだったんだろう? あれよっか俺の方がはるかに美人だと思うけど?」

言われてゾロは、一瞬、ぐっと詰まった。

その通りだ。

コックが目の前で妖艶に微笑んだ瞬間、不覚にも思ってしまったのだ。

綺麗だ、と。

思った直後に慌てて全身全霊でそれを否定する。

 

綺麗ってなんだ。

綺麗なんて思うわけがないだろう。

こいつはコックだ。

仲間のコックだ。

いつも俺を蹴り飛ばしてくる憎たらしいコックだ。

綺麗なわけあるか。

しっかりしろ、俺!!!

 

もうゾロは全身びっしょりと、やな汗をかきまくっていた。

まるでがまの油だ。

 

ふう、とサンジがため息一つ。

 

「じゃあ、こうしようぜ、ゾロ。」

 

にやり、と、小悪魔の笑み。

はだけたシャツから、真っ白な肌が覗いている。

その白さに、ゾロは目を奪われた。

 

「正直、俺もこんなデカいの挿れたこたぁねぇ。慣らさなきゃ壊れちまう。」

ゾロがサンジの体を凝視しているのを承知の上で、サンジは、わざとゆっくりと、シャツを脱いだ。

視線はゾロから外さないまま。

「てめェの目の前で、慣らしてやる。」

「な、に…?」

呆然とするゾロの目の前で、サンジの妖艶な笑みが、一気に淫らな色を帯びた。

「てめェの目の前で、ケツ孔開いてオナってやるって言ってんだ。」

自分の指を、ぺろりと舐める。

「そんでてめェが萎えたら、許してやる。まあ、てめェのデカチンは口ででも手コキででも抜いてやるさ。てめェがイヤじゃなかったらな。」

 

だけどもし、と、サンジは続けた。

 

「だけどもし、俺の…、男の体見てもてめェが萎えなかったら。」

 

 

そん時は食わせろ。

 

オレのケツで、てめェのそのデケェのをな。

 

 

そう言って、笑った唇の間から、誘うように、ちらりと赤い舌が、覗いた。

 

その恐ろしく淫靡な笑みに、くらりと、一瞬、己れが幻惑されるのを、ゾロは感じていた。

 

 

 

2004/08/30

 

襲い受けサンジ


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